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今さら聞けないコンバージドインフラとは?その特徴とメリット

基本的な内容を解説

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庄司 知代 (Tomoyo Shoji)
庄司 知代

本稿は「コンバージドインフラってなに?」という方のために、その基礎知識を紹介する記事です。サーバー関連製品なのだなと、何となく理解していても詳しくは知らないという方は多いかと思いますので、ここでコンバージドインフラへの知見を深めていただきたいと思います。また、ハイパーコンバージドインフラとの違いも説明し、最後にはNetAppのコンバージドインフラ製品「FlexPod」について触れます。 

コンバージドインフラってなに?

正しくは「コンバージド・インフラストラクチャ(Converged Infrastructure)」といいます。コンバージドとは日本語で「垂直型、統合型」という意味があり、垂直型・統合型に構成されたインフラ製品をコンバージドインフラと呼ぶのです。日本語ではよく「垂直型インフラシステム」と呼ばれます。簡潔に説明すればサーバー、ストレージ、ネットワーク、仮想化ソフトウェア、それに管理ツールを1つのハードウェアに統合したIT製品のことです。 

一般的にサーバーやストレージといった製品はそれぞれ別のベンダーから個別で調達するものであり、これを同じネットワーク上に設置することでリソースを共有したり、アプリケーションを稼働できたりします。しかし、個別で調達しなければならないからこそ導入に手間とコストがかかり、多くの企業にとって大きなIT・経営課題となっていました。 

もう1つの問題は、何か新しいインフラを調達するたびに動作検証を行わなければいけないという点です。これもまたインフラにかかる手間とコストを増やす原因ですが、動作検証を行わないことにはシステムが正常に稼働するかどうかを判断できません。こうしたインフラ調達や運用にかかる手間とコストという問題を解消するのがコンバージドインフラです。「個別に調達するのが問題ならば、最初からすべて統合してしまおう」ということで、サーバー、ストレージ、ネットワーク、仮想化ソフトウェア、それに管理ツールを1つのハードウェアに集約しています。 

そうすることでハードウェアとそれに内蔵されているサーバ・ソフトウェアが、予め動作検証済みの状態で提供されるためユーザー企業に無駄な作業を強いることがなくなるのです。つまり、ハイパーコンバージドインフラはインフラにかかる手間とコストを大幅に削減し、素早く簡単に安定的な稼働を手に入れられるシステムということです。 

コンバージドインフラのメリットとは?

コンバージドインフラの概要を理解したところで、導入するメリットを確認していきましょう。 

導入期間を大幅に短縮する 

サーバー、ストレージ、ネットワーク、仮想化ソフトウェアなどこれらのインフラを個別調達で導入するには多くの時間がかかります。導入前にそれぞれの動作検証を行いますし、導入後も連携テストや細かいパラメータ設定が必要です。そのため導入期間が長期的になりがちです。 

それに対してコンバージドインフラは、それぞれの機能の接続や連携等を事前に確認した上で出荷されるため、検証作業や設定などにかかる時間を大幅に短縮できます。導入期間を短縮できるということは、初期投資を抑えることにもつながり、システム構築にかかるコストを大幅に削減することも可能です。 

スモールスタートが切れる 

企業が新しいIT製品を導入する際は、費用対効果が見込めるラインまでインフラへの投資は極力控えておくのが正しい選択です。そこでコンバージドインフラが有効な選択肢になります。小さな筐体に対してシステム稼働に必要な環境がすべて揃っており、かつインフラを個別調達するよりも低コストに導入できます。従ってスモールスタートが容易であり、システムの成長に合わせてインフラを拡張することも可能です。 

サーバーの増設が簡単になる 

コンバージドインフラに搭載された機能により、リソースのスケールアウトを最大限活用できます。システムリソースが足りなくなった際はなサーバーの増設で簡単にリソース拡張が可能であり、オールインワンパッケージとして提供されるコンバージドインフラならではの特徴です。 

運用コストが低減される 

従来のインフラシステムにありがちな課題が運用コストでしょう。統合的なシステム環境が構築できない場合は、管理項目が次第に増えていくため、運用コストが肥大化していきます。加えて管理者もコア業務に集中できにくい環境になってしまうため、運用コストが肥大化するのと相対的に生産性が低下していきます。 

この点から考えるとコンバージドインフラは管理項目を最低限にして運用が可能なので、運用コストは低減しますし管理者の生産性も損ねません。 

単一窓口でサポートを受けられる 

コンバージドインフラの、もう1つの大きなメリットが「単一窓口でのサポート」です。サーバーやストレージ、仮想化ソフトウェア等のインフラは都度最適な製品を選んで導入することになるので、すべてのIT製品を同一ブランドから調達することはほとんどありません。そのためサーバーのサポートをA社、ストレージのサポートはB社、仮想化ソフトウェアのサポートはC社といった具合にサポート窓口が分散します。 

そのためサポートを必要とする度に窓口を確認し、それぞれの窓口にサポートを要請しなければいけません。時には問題の切り分けに時間がかかったりたらい回しになったりと苦労が多いものです。コンバージドインフラの場合、すべてのインフラが1つの製品として統合されているので、サポート窓口は一つに統合され、業務効率が大幅に向上します。 

ハイパーコンバージドインフラとは?

コンバージドインフラとハイパーコンバージドインフラの違いは、「ストレージ機能があるか否か」です。コンバージドインフラよりも小型化が進んでおり、小さな筐体の中に複数のサーバーが内蔵されているのも特長の1つです。 

ハイパーコンバージドインフラに内蔵されたサーバーはスケールアウトが容易に行え、柔軟なストレージ環境を最小限の労力で構築できます。通常スケールアウトを実現するためには複数台のストレージサーバーを統合し、プール化しますがハイパーコンバージドインフラは内臓ストレージでのプール化が可能です。 

FlexPodとは?

FlexPodはNetAppとCiscoの統合インフラ基盤であり、主にCisco UCSサーバーとNexusスイッチ、そしてNetAppストレージから構成されたコンバージドインフラ製品です。業界でも評判の高いハードウェア製品を組み合わせただけでなく、構成は事前検証が行われ動作はお墨付きです。ハードウェア部分と各種アプリケーションを含めたテストもNetAppとCiscoで共同実施済みなので、安心して導入できます。 

単一メーカーが提供するコンバージドインフラでは、「ストレージが弱い、仮想化ソフトウェアが弱い」といった偏りが大きく、コンバージドインフラ全体のパフォーマンスを確保することが難しい問題でした。 

これに対しFlexPodはストレージベンダーの大手NetAppと、サーバーやスイッチ製品の大手ベンダーであるCiscoが共同で構成したハイパーコンバージドインフラなので、あらゆる環境において高いパフォーマンスを発揮します。 

用途に合わせたFlexPodのモデル 

注目のFlexPod AI/ML 

人工知能および機械学習を 実現する革新的な プラットフォームFlexPod AI/MLが注目を集めています。 FlexPod AI/MLは、分析ワークロードに最適化されたインフラで、きわめて要件の厳しいAIアプリケーションに対応できます。 FlexPod AI / MLを導入すれば、検証済みソリュー ションに備わった次世代のコンピューティング、スト レージ、ファブリックで、最新のエンタープライズ ワー クロードのパフォーマンスを即時に確保できます。 

FlexPodの特徴:Cisco UCS Directorで簡単管理 

FlexPodの 構築、統合管理、設定の自動化を支援 します。コンバージドインフラストラクチャの包括的 な可視化と構成管理の機能を提供する管理者用の Web UIに加えて、インフラ利用者のためのポータル 機能も提供します。また、豊富なタスクライブラリを 使用できるオーケストレーション機能により、複雑な スプリクトなしでワークフローを作成しインフラリソー スのサービス提供を可能にします。 

FlexPodの特徴:Application Centric Infrastructure(ACI) 

FlexPodは、アプリケーション視点でインフラストラクチャの管 理を可能とする業界標準のACIに対応します。ACIは、Nexus 9000ベースのACIファブリックに加えて仮想スイッチ、サーバ、 ストレージといったインフラ全体のネットワーク関連設定を単一 の仕組みで統合的にポリシー制御するとともに、アプリケーショ ンが必要とする抽象的なネットワーク要件をプロファイルとして 実際のネットワークに適用することを可能とする次世代インフラ を実現します。 

FlexPodの特徴:NetApp Converged Systems Advisor 

定期的な通知やポータルにログインして表示。 単一ダッシュボードから、検証、監視、最適化に関するレポートを確認できます。 

事前検証済みのソリューション 

FlexPodでは170を超える事前検証済み環境を提供しています。その一例をご紹介します。 

FlexPod with VMware 

サーバー仮想化ソフトウェアVMware vSphere、サーバ管 理ソフトVMware vCenter、および Cisco UCS サーバ、 Cisco Nexus スイッチ、NetAppストレージシステムで構成 された事前検証済みの統合インフラストラクチャです。セキュ リティを担保しつつ、ネットワーク、サーバ、ストレージ全体 の統合と最適化を迅速に実現します。 

FlexPod with Oracle RAC Databases 

Oracle Databaseの高拡張性、高可用性ソリューションOracle Database Real Application Clusters(Oracle RAC)に最適 な構成を提供するソリューションです。仮想環境、非仮想環境に 対応したFlexPod with Oracle RACは、あらゆるデータベース のワークロードに対応する事前検証済みの構成を提供するだけで なく、データベース管理者の煩雑な作業を簡素化します。 

FlexPod for 3D Graphics Visualization with VMware / Citrix and NVIDIA 

GPU環境化においてVMware Horizon View やCitrix XenDesktopのデスクトップ仮想化を実現するための事前検 証済みプラットフォームを提供します。これにより高度なグラ フィックアプリケーションを仮想環境で利用するすべての企 業で最適な環境を実現することが可能になります。 

FlexPod with Citrix XenDesktop / XenApp 

シトリックス が提供するデスクトップ仮想化XenDesktopおよび アプリケーション仮想化XenAppをベースにシスコ、ネットアップ が提唱する構成および検証済みのプラットフォームです。複雑な VDIワークロードをサーバ、ネットワーク、ストレージを一体化し た基盤により構築期間の短縮だけでなく、コストを抑えてパフォー マンスおよび拡張性の高い仮想デスクトップ環境を実現します。 

FlexPod for SAP Solution 

SAP HANAを始めとするSAP アプリケーションを FlexPod で最適に構築・運用するためのソリューションです。SAP のラ イフサイクル管理の改善、可用性の高い SAP 環境の構築を実 現し、ビジネスの俊敏性を高めるとともに、最適化、効率化お よびコスト削減を支えます。また、スタック全体にわたって統合 されたデータの保護によりセキュアなSAP環境を維持します。 

FlexPod with Microsoft 

Microsoft SQL ServerやMicrosoft Windows Hyper-V、 Microsoft Windows Server 、 Microsoft Exchange、 Microsoft SharePointといったマイクロソフトが提供する さまざまな企業向けソリューションにおいて事前検証済みの FlexPodを提供しています。これによりビジネスの俊敏性を 高めるとともに、最適化、効率化およびコスト削減を支えます。 

FlexPod with VMware Horizon View 

VMwareが提供するデスクトップ仮想化ソリューション VMware Horizon Viewをベースにシスコ、ネットアップが 提唱する構成および検証済みのデスクトップ仮想化プラット フォームです。サーバ、ネットワーク、ストレージを一体化した 基盤により構築期間の短縮だけでなく、コストを抑えてフォー マンスおよび拡張性の高い仮想デスクトップ環境を実現します。 

FlexPod for AI/ML 

大量のデータを瞬時に分析する必要があるきわめて要件の厳 しいAIアプリケーションににおいて分析ワークロードに最適 化されたインフラを提供します。FlexPod AI / MLを導入す れば、検証済みソリューションに備わった次世代のコンピュー ティング、ストレージ、ファブリックで、最新のエンタープライ ズ ワークロードのパフォーマンスを即時に確保できます。 

コンバージドインフラの導入を検討の際は、ぜひFlexPodにご注目ください。 

このブログは2023年8月まで公開していましたストレージチャンネルからの転載となります。 

庄司 知代 (Tomoyo Shoji)

庄司 知代

2019年4月よりNetAppに入社。IT業界でのマーケティング業務にて長年に渡り培ってきた経験を活かし、ABM、イベント企画・運営、コンテンツマーケティング、広告など幅広くフィールドマーケティング業務に従事しています。

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