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AIビジネスにおけるNetAppソリューションと導入事例

人工知能
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Shimizu Yu
清水 優

多くの投資会社は、世界の人工知能(AI)市場は2030年までに1兆ドルを超えると予測しています。これに伴い、世界中の投資家がAI関連の技術や企業に投資しており、関連分野のビジネスの見通しは非常に良好です。AIへの関心が高まるにつれ、大企業と中小企業の両方が、自動化と生産性の向上のためにAIの採用を加速しています。しかしながら、データサイエンティストなどのAIエンジニアの人材不足などの要因で、AIを開発・活用するために十分なリソースやノウハウが不足している企業は、依然としてAIの採用を躊躇しています。NetAppには、世界中の企業に人工知能の時代におけるAIの導入とビジネス戦略をサポートするソリューションを提供する長年のノウハウがあります。

AI技術の利点

かつてはビッグテックの独占領域であったAIは、現在では大小を問わず多くの企業で採用されており、効率と生産性の向上、コスト削減と収益の成長に貢献しています。AIをビジネスに活用することには一般的に以下の様なメリットがあります。

  • 膨大なデータ(ビッグデータ)を高速かつ正確に解析し、人間には認識できない規則性を見出すことで、データに基づくビジネス戦略を策定することができる
  • 繰り返し行われるルーチンワークを自動化することで、従業員の肉体的、心理的、時間的負担が軽減され、業務の生産性と効率が向上する
  • 個々の顧客の行動を解析し、ニーズに合った製品やサービスを提供できる

また機械学習やディープラーニングなどのAI技術は既に営業、マーケティング、カスタマーサポートなど様々な事業領域で活用され、その成果が評価されています。これは企業にとって競争上の優位性であり差別化要因であり、多くの企業が自社の事業に適したAIの導入を検討している、またはすでに導入している理由でもあります。代表的なAIの活用方法として以下の様なユースケースがあります。

  • 営業/マーケティング
    • ユーザーの特性に合致したおすすめ商品やコンテンツの表示(レコメンドエンジン)
    • 商品の需要予測
  • カスタマーサポート
    • コールセンター業務
    • チャットボット
  • 医療
    • レントゲンなどの画像診断
    • AIを活用した創薬活動
  • 産業
    • 自動運転
    • 工場における品質検査
  • 通信事業
    • 基地局やネットワーク機器の故障検知と予防
    • ネットワーク帯域および経路の自動最適化

生成系AIの台頭と高まる機械学習インフラの重要性

2022年末にOpenAI社のChatGPTが登場して以降、生成系AI(ジェネラティブAI)への関心が急速に高まっています。ごく自然な会話のやり取り(プロンプト)を通して、文章の要約やプログラムの開発など、これまでAIには困難と思われた高度なタスクを自動化することが可能となりました。これを受けてGoogleのBardなど、ビックテック企業も追従する形で生成系AIへの開発と投資を加速しています。日本国内でも独自LLM(大規模言語モデル)の開発や、ChatGPTをはじめとする既存のAIを自社ビジネスへ活用する動きなどが広がっています。ただし、革新的なテクノロジーの使用に伴うリスクや課題を認識することが重要です。

最大のリスクはセキュリティと信頼性です。生成系AIは必ずしも裏付けとなる根拠や正当な権利に基づく高品質なデータのみならず、情報源が確かでない膨大な量の未精製のデータから学習しているとも言われています。このため生成系AIの利用用途によっては、意図せず情報漏えいや著作権侵害を犯してしまうリスクが指摘されています。実際に2023年の初めには、いくつかの国内外の企業が自社や自社が提供するサービスにおける生成系AIの使用を禁止するガイドラインを発行しました。またChatGPTなどの対話型AIから意図した情報を引き出す「プロンプトエンジニアリング」というテクニックも広まっており、これがサイバー犯罪に悪用されたという事例も報告されています。さらに、ChatGPTやBardが時に不正確な情報を回答してしまう「ハルシネーション(幻覚)」という現象もたびたび報告されています。いずれにせよ現状では、生成系AIの回答は100%信頼できるものではなく、学習に使用するデータや利用用途をよく吟味する必要があるでしょう。

また生成系AIを開発・活用する企業にとって極めて重要な理論として「スケール則(Scaling Laws)」というものがあります。これはChatGPTの開発元であるOpenAI社が論文を通じて発表したものであり、曰く、GPTのような大規模言語モデルの性能は、計算量・データセットのサイズ・モデルのパラメータ数という3つの要素と比例関係にあるということを示しています。つまり「大量のデータセットを用いて大規模なモデルを構築することが、より品質の高いAIを生み出す」ことに直結するということを示唆しています。これを受けて生成系AI、とりわけ言語を扱うAIを開発する企業ではITインフラへの投資がより一層加速していくことでしょう。

ニューラル言語モデルのスケーリング則
出典:Scaling Laws for Neural Language Models

このような生成系AIを取り巻く環境下では、企業のIT部門は以下の課題に取り組む必要があります。

  • 大量のインフラリソースの管理
    • 生成系AIを学習・運用するための大量のサーバやストレージを管理する必要がある
    • インフラリソースがオンプレミス・クラウド、どこにあっても統一的に管理する手法を整える必要がある
    • 天文学的な投資を抑えるために、リソース使用量やコストの最適化を図る必要がある
  • 膨大なデータセットの保管・提供
    • ペタバイトにも及ぶ超大容量なデータセット(学習用データ)を保管する必要がある
    • AIの学習を効率化し、市場への投入を早めるため、膨大な量のデータを極めて高速に処理する必要がある
  • データの品質管理
    • マイナンバーなど機密性の高いデータがAIの学習データに混入されないように細心の注意を払う必要がある

NetAppのAIソリューションとその事例

AIテクノロジーには多くのメリットがありますが、ハードルもあります。特に機械学習や生成系AIといった新しいテクノロジーに関しては、AIに特化したインフラストラクチャの構築や運用の複雑さ、そしてそれらの精通した人材が不足しているのが現状です。NetAppは、世界中に提供可能なサービス/サポートを通じて、AI特有のお客様課題の解決を支援する幅広いAIソリューションを提供しています。NetAppのAIポートフォリオをご覧いただき、お客様のビジネスに合ったプロダクト/サービスをぜひご活用ください。また、ビジネスの課題に取り組むのに役立つ、年間を通じて専門家によるサポートとサービスを受けることもできます。

NetAppこれまでは、様々な業種の多数のお客様にAIソリューションを提供してきました。ONTAP AIやデータ ファブリックなどのNetAppのAIソリューションを、AIモデルの品質向上や、データパイプラインの改善といったお客様課題の解決に役立てて頂いております。NetAppのお客様における成功事例については、以下をご覧ください。

清水 優

2020年にNetAppへ入社して以来、同社コンサルタント部門の一員として、コンテナ/DevOpsやAI/MLといった分野を中心としたコンサルティングサービスを提供しています。ストレージのみならずITインフラストラクチャ全般の設計・構築や、クラウドサービスプロバイダーとしての経験など業界における10年以上のキャリアを持つプロフェッショナルです。近年では自身の持つ様々な分野のナレッジをNetAppのイベントやQiitaなどのコミュニティを介して外部へ発信する取り組みも精力的に行なっています。

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月岡 慶哲

2021年にNetAppへ入社して以来、プリセールスエンジニアの一員としてデータ保護・管理やAI/MLといった分野を中心にお客様の課題解決をご支援しています。お客様がご利用されているオンプレミス・クラウド・ハイブリッドクラウドなど環境を問わず、ITインフラストラクチャ全般のコンサルティング、設計・構築、運用・保守に関して10年以上のキャリアを持つプロフェッショナルです。近年では、NetAppのイベントやQiitaなどのコミュニティを介して外部へ発信する取り組みも精力的に行なっています。

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