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フラッシュストレージとSSDの違い

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庄司 知代 (Tomoyo Shoji)
庄司 知代

フラッシュストレージは極めて高性能なパフォーマンスで、従来のHDDストレージ環境の代替や新規システムのストレージ基盤として広く検討されています。

こうした、フラッシュストレージ市場の拡大と、HDDストレージ市場の縮小は今後も続く見通しです。それもそのはず、フラッシュストレージ製品は年々低コスト化が進み、ネットアップが提供するフラッシュストレージ製品「NetApp AFF」は、すでにHDDストレージと同程度の価格で提供されています。企業は、現在、より高性能な、フラッシュストレージの導入を検討しているのです。

今回紹介するのは、そんなフラッシュストレージとSSDの違いについてです。2つのストレージ製品について、違いを明確に理解していないという方が多いかと思います。今後、フラッシュストレージ導入を検討している方は、この機会に2つの違いを明確にしておきましょう。

フラッシュストレージとSSDの関係について

まず、フラッシュストレージにもSSDにも採用されている「フラッシュメモリ」という、ストレージ技術について説明します。フラッシュメモリとは、簡単に説明すると「電源を切ってもデータが保存される不揮発性の半導体メモリ」です。

具体的には、円盤状のハードディスクを記憶媒体として使用するHDDと違い、フラッシュメモリは「セル」と呼ばれる無数のチップを記憶媒体とします。ちなみに不揮発性とは「気化しない物質」という科学用語で、IT業界では「電力供給が不要な」という意味があります。

現在、フラッシュメモリといえば「NAND型フラッシュメモリ」が一般です。これは、プログラムの収容を主な目的としてNOR型フラッシュメモリに比べ、読み書き速度が高速で、かつ回路規模が小さいため大容量化に適しています。

市場に出回っているほとんどのフラッシュメモリが、このNAND型フラッシュメモリを採用しています。

SSD (ソリッド・ステート・ドライブ)とは?

SSDはフラッシュメモリを採用した記憶装置の一つです。基本構造はHDDをエミュレート(模倣)しているため、フラッシュメモリ本来の性能を活かしきれていないという意見もあります。しかし、SSDはHDDと比較して、処理速度が高速で需要が長く、データ保護の観点から見ても優れています。

ただし、HDDに比べて低価格化・大容量化が進んでいません。そのためHDDよりも価格が高くなります。しかし以前のように何十倍も高いというわけではなく、日経BP ITproの情報によれば、その価格差は2015年時点で6セント(約6.6円)/1GBにまで縮まっているといいます。

フラッシュストレージとは?

フラッシュストレージとは、SSDを連結されて構成したストレージ製品、あるいは、フラッシュメモリ技術を全面的に採用した大規模ストレージ製品となります。従来のHDD製品に比べて、フラッシュメモリを採用したストレージ製品の方が高性能であり、企業のITシステム要件を満たせることはいうまでもありません。

このため、多くの企業が新しいITインフラ技術として、フラッシュストレージの採用を始めています。

また、このSSDと従来から存在するHDDの両方を管理可能なストレージをハイブリッドストレージもしくはハイブリッドフラッシュと言います。

フラッシュストレージとSSDの違いは

フラッシュストレージとSSDの違いについて明確な定義はありませんが、一般的には企業向け/コンシューマ向けとして区別されることが多いようです。SSDと聞くと、コンピュータ内蔵ストレージとして、HDDの代替となっている製品をよく思い浮かべます。さらに、SSDという言葉が一般消費者に浸透していることからも、「SSD=コンシューマ向け」という認識が強くなっているのかもしれません。例えばMacBookを購入する人の多くはSSDで高速になったなどと言いますよね。

一方フラッシュストレージとは、SSDやフラッシュメモリで構成されたストレージ製品を指すこともあれば、企業独自に構築したフラッシュメモリのストレージ環境を指すこともあります。ですので、現在では「フラッシュストレージ=企業向け」、「SSD=コンシューマ向け」のストレージ製品というのが、違いだと言えそうです。

さらにフラッシュストレージと言うとNetAppなど大手ストレージベンダーが提供しており、ただ単純に高速と言うだけでなく、拡張性であったり、管理性であったり、信頼性であったり、企業が求める機能が搭載されているイメージも少なからずあると言えるでしょう。

フラッシュストレージはなぜ必要なのか

では、フラッシュストレージ市場が拡大し、企業ニーズが高まっている背景には何があるのでしょうか?その一つとして、大規模化する企業の情報量と、それを活用しようという取り組みがあります。

世界の情報流通量は年々増加傾向にあり、企業が保有する情報量に関しても同じことが言えます。ここ10年での情報流通量の増加率は、数倍とも数十倍とも言われています。中小企業にいたっては、小規模環境においてもTB(テラバイト)級の情報量を保有し、中規模環境ではPB(ペタバイト TBの1,000倍)級の情報量を保有するのが当たり前となりました。

これらの情報に関しては、すべてをアーカイブとして保存するのではなく、必要に応じて高速な読み書きが出来るようにしなければなりません。なぜなら、機械学習やビッグデータ分析が重要視されるなか、より高速な情報活用基盤が求められているためです。

こうした状況を背景に、HDD製品に比べて高性能、かつ高寿命のフラッシュストレージ製品が注目されています。

もう一つ、フラッシュストレージ市場が拡大している大きな理由が、低コスト化です。冒頭で紹介した通り、ネットアップが提供するNetApp AFFは、すでにSAS HDDと同程度の価格で提供されています。従って、コスト面や費用対効果といった観点から見ても、フラッシュストレージ導入のメリットが高まっているのです。

こうした複数の理由を背景に、フラッシュストレージ市場は今後も拡大して行くことが予測されます。

まとめ

企業向けストレージ製品の中には、フラッシュストレージを売りにしたものもあります。しかし、その機能性は各社それぞれ違います。自社が本当に必要な要件を見極めて正しいフラッシュストレージをご検討ください。フラッシュストレージは、企業が持つITインフラの課題を多く解決し、高いパフォーマンスで日々の業務を支援します。

このブログは2023年8月まで公開していましたストレージチャンネルからの転載となります。

庄司 知代 (Tomoyo Shoji)

庄司 知代

2019年4月よりNetAppに入社。IT業界でのマーケティング業務にて長年に渡り培ってきた経験を活かし、ABM、イベント企画・運営、コンテンツマーケティング、広告など幅広くフィールドマーケティング業務に従事しています。

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