この業界では以前から、「お客様は、クラウドの動的な柔軟性と無限の拡張性を歓迎するのと同じように、エンタープライズ テクノロジに、自信を持って導入できるセキュリティ機能を求めている」と語られています。Gartnerは、先日発表したITの最新トレンドに関するレポートで、「データセンター チームは、クラウドの原則をオンプレミスに採り入れるようになるだろう」と述べています。一方、「2027年には、データセンター インフラの35%がクラウドベースのコントロール プレーンで管理されるようになるだろう」とも述べています。さらに、このレポートには、クラウド チームは特に、「サービスレベルの冗長性ではなく、ビジネス レジリエンスを構築するための一連の手順」でインフラをリファクタリングするようになる、とも書かれています。
問題は、こうした作業とチームを、どうやって一元管理するかです。
データは、今日のビジネスの原動力として価値が高まっています。そして、脆弱性も高まっていることは疑いのない事実です。データはビジネスを前進させ、イノベーションを促進し、卓越したカスタマー エクスペリエンスを実現します。しかし、データには損失や破損のリスクが潜在します。さらに、サイバー脅威が高まり、ランサムウェア攻撃が劇増している状況を考え合わせると、競争力の源であるデータはリスクにさらされていると言えるでしょう。近頃は、データがオンプレミス環境と複数のクラウド環境に広く分散していることから、問題は厄介になる一方です。この複雑さは、障害、損失、エラー、攻撃からデータを保護するための方程式が、テクノロジ上の難問になったことを意味します。加えて、こうした種類の異なる環境を管理するには、スキルや予算が不足していることを思えば、脅威からの保護が、さまざまな様相を呈すようになった理由がわかります。
NetAppは本日、ハイブリッド マルチクラウド環境を簡単に、かつ一貫した方法で保護できる、今までにないサイバーレジリエンス機能を発表しました。オンプレミスとクラウド両方の環境のストレージ サービスとデータサービスをまとめて可視化し、運用を簡易化する NetApp® BlueXP™ 統合コントロール プレーンを通じて、新たに強化したデータ保護機能をリリースします。これにより、3-2-1ルールに基づくバックアップ戦略を、ワークロード単位で、単一の管理コンソールから環境全体に簡単に実装できるようになりました。シンプルなバックアップから3-2-1ルールのバリエーション、冗長性、変更不可能性、消去不可能を実現するバックアップまで、多種多様な手法を用いたデータ保護戦略で、ワークロード ポリシーや規制に準拠することができます。バックアップ ソフトウェアのライセンスを取得したり、バックアップ サーバやメディア サーバをプロビジョニングしたり、ソフトウェアにパッチを適用したりする必要はありません。Snapshotの作成、バックアップ、セキュリティ、検索用に別途ツールを用意する必要もありません。さらに便利なのは、ポリシーベースの自動化で、この一連の保護を実現できるため、人為的ミスの可能性を抑えられることです。
でも、これで終わりではありません。私たちは、BlueXPがサポートする他のアプリケーションやワークロードにまで、この一元管理機能を拡張しました。忌まわしいバックアップウィンドウを短縮するには、バックアップを、できるだけ瞬時に実行できることが大切なのに変わりはありませんが、データベース アプリケーションでは、そのタイミングが特に重要です。そこで私たちは、この革新的なブロックレベルの永久増分データ保護テクノロジを強化し、一般的なクラウドすべてで、データベース環境からアプリケーションと整合性のあるバックアップを作成できるようサポートの幅を広げました。この機能強化には、世界最大級のパブリック クラウド向けのネイティブのフルマネージド ストレージ サービス、Amazon FSx for NetApp ONTAPで稼働するOracleデータベースのワークロードを、シンプルかつ簡単に保護できるようリリースされた新機能が含まれます。その結果、バックアップウィンドウを、NDMPによるバックアップの100分の1に短縮することができました。これこそが、本当の意味での価値です。
ところで、サイバー レジリエンスは、データをバックアップすればおしまいではありません。そのバックアップを悪者から保護しなければなりません。彼らは、どんどん知恵を付けてきています。ときには、損害を与えることを目的に、偶然見つけたバックアップが書き換え不可能だと、とにかくそれを削除して、データを保護できなくしようとすることがあります。 BlueXPのバックアップとリカバリ サービスでは、バックアップの書き換えを不可能にして保護を強化し、データの暗号化や改ざんを防止します。さらに、信頼できる管理者が複数関わっている場合や一定の時間が経過している場合以外は、バックアップの消去も不可能にして、削除に抵抗できるようにします(ランサムウェアによる攻撃者が、何年も付きまとうことはほとんどありません)。
このシンプルなポイントアンドクリック機能は、データの配置場所に関係なく、すべてのNetApp ONTAP®システムで利用できます。NetAppにとっての「クラウド」とは、ハイブリッド クラウドにほかならないからです。
前述したように、要求の厳しいテクノロジ ユーザは、NetAppの統合ソリューションに組み込まれた実績のあるサイバー レジリエンス ソリューションを、自信を持って導入しています。NetAppのパブリック クラウド向けSoftware-Defined StorageであるNetApp Cloud Volumes ONTAPは、3大パブリック クラウドすべてに、さまざまなONTAP機能を長く提供しており、市場に投入されているプロファイルの中で最もセキュアなプロファイルのメリットを、ユーザにもたらし続けています。Cloud Volumes ONTAPは、実績のあるセキュリティと耐障害性という特徴により、今やAWS Marketplaceで入手できる、米国のインテリジェンス コミュニティ(IC)向けの信頼できるリソースとなっています。AWS Marketplaceが提供している米国IC向けサービスには、米国IC特有のニーズに対応する共通のソフトウェア インフラ、開発者向けツール、ビジネス ソフトウェア製品が幅広く含まれ、セキュリティの強化、業務の効率化、コストの削減に役立っています。
NetAppがサイバー レジリエンスでリーダーシップを発揮しているように、この度NetApp Cloud Insightsが、米国のFedRAMP「High」インパクト レベルの保護を必要とするワークロードに利用できるようになったことも、私たちの誇りです。FedRAMP「High」インパクトは、米国政府が、クラウドに格納されている米国政府の最重要機密データ向けに採用している基準です。Cloud Insightsは、業界をリードするハイブリッド マルチクラウド監視サービスとして、この要件を簡単に満たしています。
こうした機能強化に合わせて、BlueXPと関連サービス向けに、新たな導入モードを有効にする新機能もリリースする予定です。これにより、高度なセキュリティが求められる業界のお客様は、制約の多い政府機関のクラウドや「ダーク サイト」環境でも、クラウド主導の管理機能を使用できます。新しくリリースされるBlueXP制限モードでは、アウトバウンドが制限され、バックエンドのBlueXPソフトウェアサービス(SaaS)への一方向接続のみが可能なソブリン クラウドのリージョンにワークロードを導入できます。ソブリン クラウド内で、ストレージ、バックアップとリカバリ、ガバナンスと分類のサービスを利用することも可能です。新たにリリースされるBlueXPプライベート モードでは、外部接続なしでローカルのデータセンターにコントロール プレーンを導入し、ストレージ、バックアップとリカバリ、ガバナンスと分類の主要サービスを利用できます。
NetAppのお客様は、世界でも最も要求の厳しいテクノロジ ユーザです。全員が政府の情報機関、グローバルな金融機関、最先端の製薬イノベーション企業というわけではありませんが、データは命であるという点で共通しています。データは侵すべからざるものです。お客様は、データの保存場所やデータがサポートするワークロードに関係なく、障害、災害、人為的ミス、悪意ある人物に対抗する最強のサイバーレジリエンス プロファイルをNetAppで実現しています。私たちは、お客様の信頼を真摯に受け止め、投資や最近のリリースを通じて、その事実を証明しています。ご興味がある方は、いつでもお問い合わせください。詳しくご説明いたします。
運用を簡易化し、サイバー レジリエンスを強化する方法については、 NetAppにお問い合わせいただくか、BlueXPの概要をご覧ください。
Ronen Schwartzは、NetAppのCloud Volumesビジネス担当シニア バイス プレジデント兼ゼネラル マネージャーです。ハイブリッド クラウドとマルチクラウドにわたる堅牢なCloud Volumesプラットフォームを構築し、NetAppのクラウド データ管理サービスを拡張して、Cloud Volumesビジネスを加速させる立場にあります。
NetApp入社前は、Informaticaのテクノロジとエコシステム、運用、戦略担当エグゼクティブ バイス プレジデントと、Informatica Cloudのシニア バイス プレジデント兼ゼネラル マネージャーを務めています。これらの役職で製品戦略、製品管理、市場参入戦略を主導してきました。Informaticaでの14年間、オンプレミスからパブリック クラウドへ、また、ライセンス収益から経常収益への移行を通じて、同社の変革における主導的役割を果たしてきました。